こんにちは。
銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」です。
マラソンのような低強度・長時間運動のパフォーマンスを高めるためには、低強度のトレーニングだけでなく高強度のトレーニングも織り交ぜておこなうほうが効果的です。
↓詳しくは前回の記事をご覧ください↓
またバスケットボールやサッカーといった球技スポーツにおいては、持久的な能力も瞬発的な能力も求められるため、その両方を高めるトレーニングが必要です。
このように、レクリエーションスポーツであっても競技スポーツであっても、トレーニングに『バリエーション』をもたせることが重要です。
では、バリエーションをもたせたトレーニングを、実際にはどのように行うのがよいのでしょうか?
1週間の中で様々な強度の運動を行うのか、この週はこの要素を多めに入れるといった週単位のスケジュールを組むのか。
今回はそのヒントになる研究をご紹介します。
Block periodization of high-intensity aerobic intervals provides superior training effects in trained cyclists
Rønnestad et al., 2014(1)
研究方法
被験者 :トレーニングレベルの高いサイクリスト21名
被験者を最大酸素摂取量を基準にして同等のレベルになるように2群に振り分け、4週間のトレーニングを介入
ブロックピリオダイゼーション群:10名
伝統的ピリオダイゼーション群 :9名
※21名中2名は体調の関係で期間中に除外
両群とも4週間で8回のHIIT(高強度インターバルトレーニング)を実施したが、4週間でのトータルの回数は変えずに実施方法を異なる形で実施。
ブロックピリオダイゼーション群⇒1週目に5回、2~4週目に1回ずつ
伝統的ピリオダイゼーション群 ⇒毎週2回ずつ実施
HIIT以外にも低強度の有酸素運動も実施した。
介入前後の期間に自転車エルゴメーターを用い持久力テストを実施。
結果
同じ量・強度を継続する伝統的ピリオダイゼーション群は介入前後でどの数値にも有意な変化が見られなかった。
4週間を期分けして量・強度を変化させたブロックピリオダイゼーション群は
✓持久力テスト中の最大パワー
2.1±2.8%の有意な向上
✓最大酸素摂取量
4.6%±3.7%の有意な向上
✓血中乳酸濃度が2mmolのときのパワー
10±12%の有意な向上
をそれぞれ示した。
この研究から分かること
伝統的ピリオダイゼーション群もブロックピリオダイゼーション群も、4週間でおこなった総量は変わらないにもかかわらず、ブロックピリオダイゼーション群でのみ持久力の向上が認められました。
介入期間が4週間と短かったため、伝統的ピリオダイゼーション群ももう少し長い期間トレーニングを実施すれば持久力の向上を認めたかもしれませんが、この違いは面白いですよね。
持久力を高めるためには毎週コンスタントに数日HIITを実施するよりも、今週はHIITをしっかり実施するぞ!と決めて連日実施するほうが効果的なのかもしれません。
一方でHIITは脚にも大きな負担がかかる運動なので、いきなり連日実施するのは怪我のリスクにもなり得ます。
どういう実施方法が最適なのかは人によって異なりますが、持久力を向上させたい際には是非参考にしてみていただければと思います!
©Physicl lab Co.,Ltd. 2022
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参考文献
- Slettalokken, G and Ronnestad, BR. HIGH-INTENSITY INTERVAL TRAINING EVERY SECOND WEEK MAINTAINS V_ O2MAX IN SOCCER PLAYERS DURING OFF-SEASON. JSCR 28:(7): 1946–1951, 2014.