こんにちは。銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」です。
「ランナーの聖地」として知られる皇居外周路まで徒歩10分ほどの場所にある当スタジオには、ランニングを楽しんでいるお客さまがしばしばいらっしゃいます。
楽しみ方は人それぞれですが、はじめは健康づくりのためと思っていたけれどすっかりハマって毎年大会にエントリー、さらに、タイムアップに挑戦している、という方も。
本日はそのようなマラソンランナーに向けて、タイムが伸び悩んだときに取り入れてみていただきたい「ポラライズドトレーニング」についてご紹介します。
ポラライズドトレーニングとは、スピードを出して短い時間を走る高強度トレーニングの日と、ゆったりペースで長く走る低強度トレーニングの日を組み合わせるという、ペースのメリハリをつけるトレーニングです。
その根拠となる研究をご紹介します。
Polarized training has greater impact on key endurance variables than threshold, high intensity, or high volume training
Stoggl and Sperlich, 2014(1)
研究方法
被験者 :ランニング、サイクリング、クロスカントリースキーなどの持久系のアスリート48名
年齢 :31±6歳
VO2max:62.6±7.1ml/min/kg
【定期的なHIIT(高強度インターバルトレーニング)は実施していない】
以下の4群に分けて9週間の持久力トレーニングの介入
VO2max:最大酸素摂取量といわれるもので、
VO2MAXの数値が高いと、それだけ1分間に体内に取り込むことが出来る酸素量が多く、生み出せるエネルギー量も大きくなるため、数値が高いということは有酸素運動能力が高く、全身持久力に優れていると言われています。
男性30歳の平均値は、体重あたりで40ml/kg/min程度ですが、エリート長距離選手の最大酸素摂取量は90ml/kg/minにも達します。(e-ヘルスネットより引用)
➀ハイボリューム群
「低強度」でハイボリューム(90~240分)なトレーニングを中心に実施
➁OBLA強度群
6〜20分×3~6セットの「中強度」のトレーニングを2~3分のレストを挟みながら実施
➂HIIT(高強度インターバルトレーニング)群
4分×4セットの「高強度」(最大心拍の90~95%)のトレーニングを3分のレストを挟みながら実施
④ポラライズドトレーニング群
「低強度」な①のようなトレーニングと「高強度」な③のようなトレーニングをミックスして実施
結果
持久力測定のテストでの疲労困憊までの時間は、➂HIIT群と④ポラライズドトレーニング群でのみ有意に向上した。
VO2max時のスピードは➂HIIT群と④ポラライズドトレーニング群でのみ有意に向上し、④ポラライズドトレーニング群での向上率はハイボリューム群よりも有意に大きかった。
この研究から分かること
➀低強度でハイボリュームトレーニング、②中強度のOBLA強度トレーニング、➂高強度のHIITトレーニングの3群では、➂HIITが持久力向上に最も効果があったようです。
一方で、➂HIITと比較して④ポラライズドトレーニング群は同等かそれ以上の効果が認められました。
普段から低強度な一定ペースでのランニングしかしていない人は、HIITのように数分間保てるギリギリのペースで走るトレーニングを取り入れることで、さらなる持久力向上が叶うかもしれません。
ランニング自体の強度、きつさは増しますが、所要時間が短くて済むため、時間に余裕がないときに行えるのは魅力ですね。
ランニングがすでに習慣づいており、タイム・ペースの向上を狙いたい方はぜひ、量と強度を掛け合わせる効率的・効果的なトレーニング『ポラライズドトレーニング』を取り入れてみてください!
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参考文献
1. Stöggl, T and Sperlich, B. Polarized training has greater impact on key endurance variables than threshold, high intensity, or high volume training. Front Physiol 5 FEB: 1–9, 2014.