【事例紹介】長引く腕や指のしびれの原因は?胸郭出口症候群疑いの事例

【事例紹介】長引く腕や指のしびれの原因は?胸郭出口症候群疑いの事例

 

こんにちは。銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」の孫田です。

 

 

以前、手の指のしびれが数か月続いているというお客さまがいらっしゃいました。整形外科に行って画像を取ってみたものの原因ははっきりせず、お薬をもらって飲んでいたそうですが、なかなか治らないとお悩みでした。

 

 

 

 

腕や手のしびれと言っても原因は様々です。

代表的な原因としては、首のヘルニアや脊椎症など背骨の中にある神経の束、脊髄の問題があります。

また他にも、腕の神経自体の問題、脳の問題もあります。糖尿病などの内科系疾患の場合もあります。

 

この方の場合は、まずは整形外科に行き、背骨などの構造に大きな問題がないということが分かっていました(ここを確認することはとても重要です)。

そうした場合に考えるのは機能の問題、つまり身体の使い方などに起因する筋肉の問題がないか、ということになります。

 

首の可動域に問題がなく、首の動きでしびれが強くなる弱くなるということがなく、一旦は首に大きな問題はないと判断して、肩のチェックを行いました。

 

すると、しびれている側の肩甲骨が通常よりも外側、かつ下方にありました。

つまりは胸の前側の筋肉(筋肉の名称で言うと小胸筋など)が硬くなっている状態で肩甲骨が外側に引っ張られているのではないか、と考えられました。

また腕を上げた状態で手首の動脈の拍動が弱くなるということ(ライトテストという代表的なテスト方法)もありましたので、胸郭出口症候群と呼ばれる状態を疑いました。

 

胸郭出口症候群とは首と胸の間の腕にいく神経の出口となる部分で神経や血管が圧迫されしびれなどの症状が出ているものを言います。

主に圧迫される箇所は

 

  1. 斜角筋という首の側面の筋肉の周囲
  2. 肋骨と鎖骨との間
  3. 小胸筋という胸の奥にある筋肉の周囲

 

と言われています。

 

今回のお客さまの場合は、小胸筋の周囲で圧迫が起きて手のしびれに繋がっていると考え、小胸筋のストレッチと肩甲骨が外側に行かないように内側に引っ張る筋肉(筋肉で言うと、僧帽筋中部や菱形筋)のエクササイズをご提案・指導させていただきました。

 

その結果、1か月程度でしびれの改善がみられるようになりました。 またそれに合わせて、肩甲骨の位置の左右差も減っていきました。

しびれ自体が元々強いわけではなかったこと、また日常生活に大きく影響があったわけではなかったことから、お客さま自身も急激な変化を感じたわけではありませんでしたが、継続的に取り組むことで、「気が付いたら最近しびれてないなー」とのことでした。しびれていたときによく手を振って気にしていた様子も少しずつなくなり、ストレッチ、エクササイズをすることで、本当によくなったという感想もいただきました!

 

以上、簡単にですが、手のしびれに対して胸郭出口症候群を疑ってエクササイズを行い改善した例をご紹介しました。

 

こういった機能的な問題であれば、ご自身でストレッチやエクササイズを続けることで、慢性的で不快な痛みやしびれが緩和したり気にならなくなったりするケースもあります。

 

整形外科へ行ってもなかなか改善されない、マッサージなどを受けても一時的にしか良くならない、そのようなお悩みがおありでしたら、ぜひフィジカルドックで原因や根本解決の方法を探ってみてはいかがでしょうか。

 

自分の肉体を自分で改善するお手伝いをさせていただきます!

 

 

※今回の例は事前に整形外科に行き、構造的な問題がないことが分かっていました。状況によっては受診をオススメする場合もございます。

 

 

参考文献

1.岩堀裕介:胸郭出ロ症候群.Journal of CLINICAL REHABILTATION 28:1184-1188,2019.

 

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