月経周期によって身体の機能も変化する

月経周期によって身体の機能も変化する

最近はGPSを用いたランニングのアプリも使えるようになり、自分の走った距離を記録出来たり、

走るペースがどのように成長したかを可視化出来たり、ランニングの楽しみ方の幅も広がってきていますよね!

 

トレーニングを出来るジムも各地にありますし、雨の日はそこで筋トレをしたりトレッドミルのランニングも出来ます。

 

こういった運動の楽しさの1つに、『自分の成長を可視化出来ること』が挙げられますよね。

 

例え球技などのスポーツが苦手だったとしても、手軽に行えるランニングや筋トレで記録が上がっていくとモチベーションになるものです。

 

ただ、いくら頑張って継続していたとしてもそれらの記録が一時的に落ちてしまうことももちろんあります。

 

女性の場合、原因の1つとして『月経周期』が挙げられます。

 

今回は月経周期と持久力などの体力との関連について調べた研究を紹介し、運動をおこなううえで意識すべきことを解説していきます。

 

Julian et al., 2017

The effects of menstrual cycle phase on physical performance in female soccer players(2)

 

研究方法

 

女子サッカー選手36名

18.6±3.8歳

 

・服薬しているものなし

・月経周期が24~35日で安定している

・健康状態が良好

上記にあてはまり、月経周期の記録、体力測定の記録が正確にとれた9名のデータを採用

 

体力測定

・Yo-Yoテスト(間欠的持久力のテスト)

・垂直跳び

・30mスプリント

 

  • 卵胞期前期(月経明け)
  • 黄体期中期(排卵後1週間ほど)

の2回のタイミングで測定

 

t検定で2回のテストを比較

効果量を算出

 

結果

 

Yo-Yoテスト

 

  • 卵胞期前期

3289±801m

 

  • 黄体期中期

2822±896m

 

p=0.07

ES=0.56

 

垂直跳びと30m走には2つのタイミングでは有意差なし

 

この研究から分かること

 

間欠的持久力を表すYo-Yoテストの結果が、卵胞期前期(月経明け)よりも黄体期中期(排卵後1週間ほど)のほうが低下傾向にあることが示されました。

 

つまり、いくら頑張って運動を継続していても、月経周期の影響で一時的にランニングの記録も落ちてしまう可能性があるということです。

 

また、黄体期は靭帯の強度が低下し、傷害の発生頻度も高くなることも報告されているので(1)無理は禁物です。

 

自分の成長を実感できることは運動を継続する良いモチベーションになりますが、

月経周期に限らず他の要因のせいで一時的な低下が起こるということは頭に入れておきましょう。

自分の成長も楽しみながら、かつあまりそこにとらわれ過ぎないようにもしながら、楽しく運動を継続していきましょう!

 

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©Physicl lab Co.,Ltd. 2021

 

参考文献

 

  1. Hewett, TE, Myer, GD, and Ford, KR. Anterior cruciate ligament injuries in female athletes: Part 1, mechanisms and risk factors. Am J Sports Med 34: 299–311, 2006.
  2. Julian, R, Hecksteden, A, Fullagar, HHK, and Meyer, T. The effects of menstrual cycle phase on physical performance in female soccer players. PLoS One 12: 1–13, 2017.
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