年齢を重ねるにつれて現れる、以前よりも身体の疲れが抜けない、
肩こりや腰痛が気になるようになった、気分が落ち込むなどの身体の不調。
身体の使い方や、普段の姿勢による可能性はもちろんですが、女性の「更年期障害」が関係しているかもしれません。
そこで今回は、更年期障害とはどのような症状をさすのか、運動による対策は有効なのかについてご紹介します!
更年期障害とは?
まず、更年期の年齢ですが、閉経を挟んだ前後5年の約10年間が「更年期」と呼ばれ、主に50歳前後とされています。
この時期は、卵巣機能の低下から女性ホルモンの分泌量が減少することで、さまざまな不調が起こります。
具体的にどのような症状が身体に現れるのかまとめてみました。
➀血管運動神経系症状
ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗
※ホットフラッシュとは:エストロゲンの減少によって、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることによって起こる。
例)涼しいのに汗が止まらない、急に顔が紅潮する、突然身体が熱くなるなど
②運動神経系症状
頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ
③精神神経系症状
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など
もしも症状がある場合は、更年期障害以外の病気が潜んでいる可能性もありますので、まずは医師の診察を受けましょう。
その上で、少しでも快適に過ごせる対策を考えたい…という方には、健康のための運動習慣作りをサポートするフィジカルラボ銀座として、
「ストレッチ(低強度運動)で症状が改善される」という研究データをご紹介します。
対象は、40歳~61歳の女性40名。
毎晩寝る前に10分間ストレッチを3週間行った結果、ホットフラッシュの頻度には影響が見られませんでしたが、
それ以外の血管運動神経系症状、肩こりなどを含む運動神経系症状、精神神経系症状が減少したそうです。
(p<0.05は、前後の差が単に偶然で生じた差である確率は5%未満である、という意味です)
介入前と介入後をグラフにして比べてみました。
SMI は日本女性の更年期症状を評価するために開発された質問紙で、日本における研究や病院の日常的な検査でも頻繁に利用されています。
10項目で構成されており、
・血管運動神経系症状( 4 項目:ホットフラッシュ、冷えなど)
・精神神経系症状( 4 項目:気分、睡眠障害など)
・運動神経系症状( 2 項目:関節の痛み、肩の凝り)を点数で評価します。
SDSは20の質問に答えていく心理検査で、うつの程度を客観的に数値化することができ、国際的に研究利用されています。
質問項目に対する回答を「ないかたまに=1点」、「ときどき=2点」、「かなりの間=3点」、「ほとんどいつも=4点」の4段階で自己評価するもので、
総点が高いほど抑うつ傾向があることを意味します。
運動神経系症状の数値が低下した要因は、筋肉の柔軟性の改善によるものではないかと考えられます。
筋肉の柔軟性の改善が、関節の痛み、肩の凝りなどを含む運動神経系症状の軽減に寄与した可能性があるようです。
今までとは異なる心身の変化に、もどかしさを感じる方も多いのではないかと思います。
中強度運動(ランニングや筋トレ)は難易度が高く感じてしまい、取り組みづらい…
そんな方はまずは、毎日10分程度のストレッチを習慣化してみてはいかがでしょうか?
身体の不調を感じている場所から、身体に痛みや違和感がない場合は下半身・上半身のストレッチを1日の終わりに取り入れても良いかもしれませんね!
フィジカルラボ銀座では、お客様のお悩みに合わせて運動メニュー(ストレッチやトレーニング)を作成する「フィジカルドック」を提供しております。
毎日10分のストレッチをより効率的・効果的な内容にしたい、
YouTubeなどで調べてもどんなストレッチをしたらいいのかわからない、
行っているメニューの強度を少しレベルアップしたいなどお悩みやご希望がございましたら、お気軽にお問合せください。
また後程、スタッフブログにて10分程度で行えるストレッチもご紹介いたしますのでお楽しみください!
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参考文献
日本女性医学学会(編) ,出版社女性医学ガイドブック 更年期医療編,2014-4-25.
e-ヘルスネット 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト