こんにちはフィジカルラボ銀座です。
今回は、気になる方が意外と多いと思われる「ゴルフの腰痛」についての論文を紹介します。
ゴルフは一見すると安全なスポーツだと思われがちですが、実際にはスイングに伴う体幹の回旋や伸展といった繰り返し動作が、腰に大きな負担を与えます。
特に高校生などの成長期ゴルファーは、身体がまだ発達の途上にあるため腰痛を起こしやすく、トレーニングや練習を続ける上で大きな障害になることがあります。
今年発表された論文で、わずか10分程度のウォームアップを取り入れるだけで腰痛の発生回数を大きく減らせることが明らかにされていました。そこで、その研究内容を紹介します。
Hamada et al., 2025
Warm-Up Program for Adolescent Golfers Reduces Low Back Pain
〇研究方法
・対象者:45名の高校ゴルファー(平均年齢 約 16 歳)
・グループ:対象者を “予防プログラム群” と “シャム(偽介入)群”に分ける
・介入:12週間にわたって、ゴルフの前に、グループ毎各々のプログラムを実施。
【予防プログラム】
1. 有酸素的ウォームアップ(軽いジョギングや足踏み)
2. 体幹ストレッチ(回旋や側屈のストレッチ)
3. 股関節・下半身エクササイズ(ランジやスクワット)
4. 体幹安定化(プランクなど)
5. ゴルフ動作(シャドースイングなど)
【シャムプログラム】
体幹の安定性・股関節や腰部の可動性向上といった「腰痛予防の効果」が得られるような動きは意図的に含めずに、被験者が運動をしていると感じる軽いストレッチなど。
・評価項目:
*腰痛を経験した人数
*腰痛発生回数
*腰痛が起きやすい体幹モーションの方向
*スイングのどの段階で腰痛が起きたか
〇研究結果
・腰痛を経験した人数については、予防群・シャム群で予防群の方が少なかったが、統計的な有意差は見られなかった(予防群:5人、シャム群:8人)
・腰痛発生回数は大幅に低かった。予防群:16回、シャム群100回(p < 0.001)
・予防群の方が 体幹の伸展・回旋動作中 やスイングのほとんどのフェーズで腰痛発生回数が少なかった。
〇この結果からわかること
腰痛予防を目的としたウォーミングアップ・エクササイズプログラムは、腰痛発生の回数を有意に減らせることがわかりました。
この論文はより腰痛の発生頻度が高い高校生を対象にしていますが、スイング中の体幹の伸展・回旋など腰痛と強く関わる動きを取り入れたこの予防プログラムは、成人にも当てはまる内容だといえます。
10分という短い時間で実施できるため、ラウンド前はもちろん、練習前などにもぜひ取り入れてみてください。
©Physicl lab Co.,Ltd. 2025
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