こんにちはフィジカルラボ銀座です。
今回は「アイスバスの回復効果」についての論文を紹介します。
涼しくなってスポーツの秋到来といったところですが、スポーツや運動をしていると、「翌日ちょっと体が重い」「筋肉が張っている」と感じることはありませんか?
これは、筋肉を使ったあとに起こる“軽い炎症”のようなもので、筋肉が強くなるための大切なプロセスです。ただ、回復が追いつかないと、疲れが抜けにくくなり、次に運動をする際や日常生活にも影響が出てしまいます。
最近、その回復を助ける方法として注目されているのが、冷たい水に体をつけて冷やす「アイスバス」のリカバリー法です。
そこで今回は、アイスバスのリカバリー効果を検証した最新の論文をご紹介します。
Huang & Chen., 2025
Effect of cold water immersion treatment on recovery from exercise induced muscle damage in the hamstring
〇研究方法
・対象:18人の健康な成人女性18名を「冷却群(9名)」と「コントロール群(9名)」に分けた
・筋疲労誘発プログラム:ハムストリングス(もも裏)に対し、等速性収縮運動(一定の速度で曲げ伸ばし運動)を30°/秒の速度で、10セット×10反復実施。
・測定項目:筋力(MVC)、筋肉痛(DOMS)、柔軟性(SLR)、筋損傷マーカー(Mb)
・介入内容:「冷却群」は、プログラム実施から5日連続で(1h→25h→49h→73h→97h後)それぞれ 14分間、14℃のアイスバス入浴を行った。「コントロール群」は同じタイミングで座位休息。
〇研究結果
・両群共に、運動後に指標(MVC低下、DOMS増加、SLR低下、Mb上昇)が有意に変化。
・冷却群では、コントロール群に比して回復が有意に早かった。
*筋力(MVC)が4日目に +89.3%(±2.0%)改善(p < 0.013)
*筋肉痛(DOMS)が2日目に –15.4 mm(±1.5)減少( p < 0.000)
*柔軟性(SLR)が2日目に +86.3%(±1.1%)増加(p < 0.014)
*筋損傷マーカー(Mb)濃度が3日目に –436.3%(±60.8%)低下(p < 0.014)
〇この結果からわかること
運動後は、安静にするだけでも回復はするものの、アイスバス等で断続的に冷却を行う事で、筋疲労からの回復を促進できるという事がわかりました。
動ける体を保つためには、運動と同じくらい回復の時間が大切です。
冷たい水で体を少し冷やすだけでも、筋肉や関節のリカバリーにつながります。
こちらの論文では研究という事もあり冷水に14分という長い時間でしたが、現実的には、膝下だけ冷水に2、3分つけたり、冷たいシャワーを1分程度浴びたりするなど、負担のない方法がおすすめです。
まずは運動後、そしてお風呂の時間に。また、断続的に冷却することが回復への近道という結果からも、翌日以降も1日に1、2回の頻度で筋疲労の回復を実感するまで毎日行ってみてください。
無理のない範囲で“冷やす休養(リカバリー)”を続けて、いつまでも軽やかに動ける体を目指しましょう。
©Physicl lab Co.,Ltd. 2025
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