こんにちは、フィジカルラボ銀座です。
先日は「AIによる動作解析の信頼性と精度検証」について、科学的な視点からその実力をお話ししました。
AIを使った解析が、専門的な研究レベルに引けを取らない精度まで進化していることに驚かれた方も多かったのではないでしょうか?
今回はその続編として、歩行動作からもう一段階運動レベルを上げたランニングフォーム分析に関する最新論文をご紹介します。
走っているときに「なぜかいつも同じ場所が痛くなる」と感じることはありませんか?
効率よく、ケガなく走り続けるためには、自分の走りの特徴を正しく知ることがとても大切です。
今回ご紹介するのは、前回紹介した論文と同様にスマホで撮影したランニング動作のAI動作解析によって、ランニングの重要な指標をどれだけ正確に抽出できるかを検証した論文です。
Young & Godfrey., 2023 Internet‑of‑Things‑Enabled Markerless Running Gait Assessment from a Single Smartphone Camera
研究方法
・対象:ランニングフォームの自動分析システムの構築と精度検証
・分析プログラム:一般的なスマートフォン(60fps)で撮影したランナーの動画を、AI動作解析システム(MediaPipe)にて解析。
・測定項目:
①時間的指標:ピッチ、接地時間、滞空時間
②運動学的指標:接地時の関節角度(膝・足首)、膝の最大屈曲角度、上下動の変化
・検証内容:側方および前方から撮影した映像から、足が地面についた瞬間(初期接地)と離れた瞬間(離地)を自動検出する正確性を評価。
研究結果
・ランニング動作でもAI動作解析は従来の高度な動作解析と極めて近いデータを出すことができる
・時間的指標:ピッチ及び接地時間で強い相関関係(r>0.90)
・運動学的指標:
▶矢状面(側方から見た映像):関節角度変化、上下動などの計算において有意に機能
▶前額面(前方から見た映像):骨盤の左右の傾き(左右差)や、膝のグラつき(内側への倒れ込み)のエラー検出にて高い統計的妥当性
この結果からわかること
歩行動作だけでなくランニング動作くらいの運動強度や動作スピードでも、AIがスマホ1つの映像から自動かつ高い精度で分析できるということがわかりました。
AI動作解析によって自分のフォームの「クセ」を手軽に詳しく分析できるようになってきたことは、動作を見て欲しい方だけでなく、我々トレーナーにとっても力強い味方になっていくと信じています。
とはいえ、ここで最も重要なのはやはり、「AIが出した正確な数値をどう読み解き、どう改善に活かすか」という点です。
例えば、AIが「接地時に膝が外側にブレている」「上下動の数値が大きい」というエラーを正確に検出してくれたとしても、その根本原因が「股関節の筋力不足」なのか、「足首の硬さ」なのか、あるいは「体幹の機能低下」なのかまでは判断できないためです。
信頼できるAIのデータがあるからこそ、「一人ひとりの身体の課題を判別」して、「的確なトレーニング処方」へと落とし込むことが、ケガなく走るための本当の近道となります。
私たちトレーナーも、この進化したAIの技術と上手くタッグを組んで最先端のデータを取り入れながら、皆様の身体作りをより最適化していけるよう、社内で意見交換などもしながら日々努めています。
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今回の論文にあるような、ランニング中の膝のブレや骨盤の傾き、関節の可動域といった問題の原因と改善ポイントを明確にした上で、ご自宅や通っているジムで続けられる最適なセルフエクササイズメニュー(ランナー向け補強運動など)を作成・指導します。
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