こんにちは。
銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」です。
「最近膝が痛くて」
これはアスリートだけでなく、一般の方々からもよく相談を受ける内容です。
ランニングをしていて、階段の上り下りで、ずっと座っていると、ジャンプをすると等、痛みを感じる場面は人それぞれのようです。
膝というのは少し複雑な関節で、スネの骨と大腿骨の間に、半月板や靭帯が複数あるうえ、筋肉の付着部もいくつかあるため、痛みが生じうる部位が人によって様々です。
また、同時に痛みの原因というのも人によって異なり、膝自体に原因があるとは限りません。
そこで今回は、膝の痛みの中でも膝蓋腱炎(膝のお皿の下の腱の痛み)の要因になり得る、ある関節の硬さについての研究を紹介します。
Low Range of Ankle Dorsiflexion Predisposes for Patellar Tendinopathy in Junior Elite Basketball Players
Backman et al., (2011) (1)
研究方法
被験者:膝の痛みや既往歴のないエリートジュニアバスケットボール選手:90名
足関節の背屈可動域を測定し、1年間膝蓋腱炎の発症の有無の追跡調査を行った
膝蓋腱炎が発症した選手と発症しなかった選手で、事前に測定した足関節の背屈可動域の平均値を比較した
結果
足関節背屈可動域
膝蓋腱炎発症あり(利き足) :34.3±4.0°
膝蓋腱炎発症あり(非利き足):35.3±4.5°
膝蓋腱炎発症なし(利き足) :39.1±5.3°*
膝蓋腱炎発症なし(非利き足):40.4±5.2°*
*・・・p < 0.05 vs 発症あり
この研究から分かること
この研究では膝蓋腱炎を発症した選手ほど、元々足首が硬かったことが示されました。
36.5°を境に、それより硬い選手は膝蓋腱炎の発生率が18.5~29.4%、36.5°よりも柔らかい選手は膝蓋腱炎の発生率が1.8~2.1%という数値も示されており、足首の硬さというのも膝の怪我の大きなリスクになるようです。
バスケットボールのようにジャンプをするスポーツでは、着地の衝撃を股関節、膝関節、足関節の3つの関節で吸収する必要があります。
そのため、足関節が硬い選手ほど膝の負担が増え、今回のような結果になったのでしょう。
一方でそのようなスポーツ動作でなくとも、階段を上るとき・降りるとき、腰を落として重い物を持ちあげるときなどには下肢の3関節をバランスよく使う必要があります。
バスケットボール選手に限らず、意外と足首の硬さのせいで膝が痛くなっているという人は多いのかもしれません。
手軽に出来るチェックとしては、両足をピタッと揃えて踵が浮かずにしゃがめるかどうか、というものがあります。
これが出来ないと足首が硬い可能性が大なので要注意。
足首のストレッチを取り入れていただくことをおすすめします。
是非ご自身はもちろん、周りの方とも一緒にチェックしてみてください!
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参考文献
- Backman, LJ and Danielson, P. Low range of ankle dorsiflexion predisposes for patellar tendinopathy in junior elite basketball players: A 1-year prospective study. Am J Sports Med 39: 2626–2633, 2011.