縄跳びでマラソンが速くなる?意外と知らない縄跳びの効果

縄跳びでマラソンが速くなる?意外と知らない縄跳びの効果

こんにちは!銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」の植松です。

 

8月が終わり、徐々に過ごしやすい気温になってきましたね。

 

もうすぐマラソンシーズン到来!ということで、大会にエントリーして記録に挑戦しようという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

本番に向けて練習を進める中で、「走っても走ってもなかなかタイムが上がらない」と壁にぶつかった際に試してみていただきたいのが、「縄跳び」。

 

本日は、縄跳びとタイム向上に関する研究と結果をご紹介します。

 

Jump-Rope Training: Improved 3-km Time-Trial Performance in Endurance Runners via Enhanced Lower-Limb Reactivity and Foot-Arch Stiffness Garcia-Pinillos et al., 2020(1)

 

研究方法

 

被験者:アマチュアランナー96人

介入群51人、コントロール群45人にランダムに振り分け

 

介入群はウォームアップの際に5分間の縄跳びを週2-4回10週間実施

その他の練習は介入群もコントロール群も通常通り実施

 

縄跳びを行う際には以下のような意識で実施した

・肩、肘の動きは最小限で手首で回す

・なるべく高く、接地時間は最小限

・膝は少し曲げ、前足部でソフトに接地

 

10週間の介入前後で以下の測定を実施

・足部のアーチスティフネス(非荷重時から荷重時でのアーチの落ちにくさ)

・ジャンプ能力(CMJ, SJ, DJの3種類とDJで測定するRSI)

・3㎞タイムトライアル

 

CMJ:反動ありの垂直跳び

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SJ :反動なしの垂直跳び

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DJ :台から飛び降りてのジャンプ能力

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RSI :DJのときの滞空時間/接地時間(反応筋力の指標)

 

結果

 

介入群は介入期間の前後で3㎞タイムトライアルのタイムが12分55秒±80秒⇒12分42秒±88秒と有意に向上。

コントロール群には有意な変化なし。

 

アーチスティフネス(荷重などの足アーチを変形させようとする力に 対して、足アーチの形状を保持する性質)は介入群のみ有意に向上。

 

CMJ, SJ, DJ, RSIも介入群でのみ有意に向上。

 

 

この研究から分かること

 

この研究では縄跳びを実施することで、アーチスティフネスや台から飛び降りてのジャンプのときの滞空時間/接地時間(RSI)に代表される下肢をバネのように反発させる能力が向上することが示され、それに伴い3㎞のタイムトライアルのタイムが向上することが示されました。

 

長距離走のタイムを向上させるには長い距離を走ったり、HIITと言われる高強度インターバルトレーニングによって心肺機能を鍛えることも必要ですが、下肢の筋機能を向上させるようなアプローチも重要です。

 

HIITのYouTube動画もフィジカルラボ銀座公式YouTubeチャンネルPLチャンネルにてアップしているので、そちらも是非ご覧ください!

HIIT(タバタ式)トレーニング

 

 

この能力を向上させることで、ランニングの際に楽に推進力を得ることが出来ると考えられます。

 

タイムに挑戦しようという方は、是非ご自身のトレーニングにも取り入れてみてください!

 

また、タイムだけでなく、身体の痛みや違和感、強化したい弱点などに悩んだ際には、フィジカルドックで詳しく分析し、身体作りのメニューをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

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©Physicl lab Co.,Ltd. 2022

 

参考文献

 

  1. García-Pinillos, F, Lago-Fuentes, C, Latorre-Román, PA, Pantoja-Vallejo, A, and Ramirez-Campillo, R. Jump-rope training: Improved 3-km time-trial performance in endurance runners via enhanced lower-limb reactivity and foot-arch stiffness. Int J Sports Physiol Perform 15: 927–933, 2020.
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