夏バテしない方法は…お風呂!~暑熱順化を温浴で~

夏バテしない方法は…お風呂!~暑熱順化を温浴で~

こんにちは。

銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」です。

 

2024年も半年が経過し、いよいよ夏本番が近づいてきました。

 

近年は最高気温が30℃を超える日が増え、常に冷房が効いた環境で過ごしている方も多いと思います。

 

 

 

そうなると、暑さに順応できず夏バテしやすくなってしまう心配があります。

 

運動で体力をつけることによる予防効果も期待はできますが、実は、もっと効率的な夏バテの方法があります!

 

 

それは…運動に加えて「お風呂に浸かる」こと。

 

 

これは、一般の方の夏バテ予防だけでなく、アスリートが暑い環境でもパフォーマンスを維持することにも役立つ方法です。

今回はZurawlewらの研究を基に、お風呂がもたらす「暑さへの適応効果」について解説していきます。

 

 

Post-exercise hot water immersion induces heat acclimation and improves endurance exercise performance in the heat.(1)

Zurawlew et al., (2016)

 

 

研究方法

 

運動習慣のある男性17名を以下2群に分割

 

運動後温浴群 :10名

コントロール群:7名

 

【介入】

両群とも18度の室温で65%VO2maxの負荷で40分ランニングを実施

 

 ※Vo2max(最大酸素摂取量)

1分間にどれだけ酸素を取り込む事が出来るかの指標として用いられる。

 

運動後温浴群はその後40度のお湯に40分間浸かった

コントロール群はその後34度のお湯に40分間浸かった

 

※事前測定で34度のお湯であれば18度の室温で過ごした場合と同じような体温変化があり、温熱作用も寒冷作用も働かないと考えられた

 

上記を6日間連続で行った

 

 

【測定】

6日間の介入の前後で以下の項目を測定

・安静時深部体温

・運動時深部体温(室温18度)

・運動時深部体温(室温33度)

・5㎞ランニングのタイム(室温18度)

・5㎞ランニングのタイム(室温33度)

※深部体温は直腸温を測定

※運動時深部体温は65%VO2maxの負荷で60分運動したときの温度を計測

※5㎞のランニングは65%VO2max60分を実施した60分後に実施

 

 

結果

 

運動後温浴群においてのみ、

・安静時深部体温

・運動時深部体温(室温18度)

・運動時深部体温(室温33度)

の低下が認められました。(p<0.05)

 

 

 

 

また、運動後温浴群においては

 

室温33℃での5㎞のランニングのタイムは4.9%減少し(p<0.05)

室温18℃での5㎞のランニングのタイムは有意な変化は認められませんでした。

 

一方でコントロール群においては深部体温、5㎞のランニングタイムのすべての数値に有意な変化はありませんでした。

 

また、運動後温浴群においては運動中の発汗率(1時間あたりの発汗量)に増加が見られ、4日目以降は1日目に比べて有意に発汗率が高いことが認められました。

 

 

 

この研究から分かること

 

人間は環境に適応する生き物なので、暑さに打ち勝つにはあえて暑さという負荷を与える必要があります。

運動後にお風呂に浸かることで、運動で上がった体温が維持され、発汗量が増加するなど体温調節機能が変化して暑熱順化(暑さへの身体の適応)を引き起こします。

 

 

これにより運動時の体温だけでなく安静時の体温も変化している、つまり普段の生活を送る中でも暑さによる体温の上昇をコントロールすることができるようになっていると考えられるため、運動をしない方にも夏バテ対策としてお風呂に浸かることがオススメです!

 

また、運動後温浴群においては暑熱環境下でのランニングのタイムも向上したため、ランナーの方のパフォーマンスアップにもお風呂の活用は有効であると考えられるでしょう。

 

このように暑さに対応する方法をご紹介しましたが、ここ数年は特に暑さが厳しく、熱中症のリスクも高まっている何よりも熱中症のリスクを避けて運動をすることが大切です。

 

 

暑さが厳しい反面、涼しい環境で過ごすことが多くなっているからこそ暑熱環境でも暑さに負けない身体づくりはもちろん必要ですが、【暑さ指数(WBGT)】というものを活用しながら運動を取り入れるようにしてください。

 

暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい 湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

 

運動を行う上では、

気温が31℃以上35℃未満、暑さ指数(WBGT)が28以上31未満では厳重警戒(激しい運動は中止)

気温が35℃以上、暑さ指数(WBGT)が31以上では運動は原則中止

と規定されています。

 

環境省 熱中症予防情報サイト

 

上記のサイトや、ここ最近では天気のアプリなどでも確認できますので外で運動を行う際には気温と暑さ指数を確認して熱中症のリスクを避けたうえで運動を取り入れていきましょう!

 

是非、暑さに打ち勝つために運動後のお風呂を実践してみてください!

 

参考文献

 

  1. Zurawlew, MJ, Walsh, NP, Fortes, MB, and Potter, C. Post-exercise hot water immersion induces heat acclimation and improves endurance exercise performance in the heat. Scand J Med Sci Sports 26: 745–754, 2016.

 

©Physicl lab Co.,Ltd. 2024

 

 

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