こんにちは。銀座のパーソナルトレーニングスタジオ「フィジカルラボ銀座」です。
コロナ禍以降、ゴルフを始める人や、ゴルフに関する支出が増えたというニュースを見聞きします。
みなさんやみなさんの周りでも、ゴルフの楽しさ、気持ちよさに目覚めた方がいらっしゃるのではないでしょうか?
ゴルフは老若男女問わず楽しめるスポーツですが、一度始めたらスコアを伸ばしたくなるというもの。
最初はボールを真っすぐ飛ばすこと自体が難しい、というところからスタートして、だんだんと飛距離を伸ばすことが目標になってきます。
飛距離を伸ばすためにはクラブのスイングスピードの向上が大切だと言われていますが、スイング自体の練習に加えて有効なことはないだろうか?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
そこで本日は、「ゴルフのための身体づくり」という観点から、クラブのスイングスピードと身体の機能の関係性について検証した研究を紹介していきます。
Relationships between field-based measures of strength and power and golf club head speed.
Read et al., (2013) (1)
研究方法
被験者:2年以上ゴルフの経験があり公式ハンディキャップが1桁の男性48名
ゴルフのスイング時のヘッドスピードと以下の数値を測定し、ピアソンの積率相関分析及び重回帰分析をおこなった
✓身長
✓体重
✓腕の長さ
✓反動なしの垂直跳び
✓反動ありの垂直跳び
✓片脚での反動ありの垂直跳び
✓反動なしのメディシンボールスロー(重さのあるボール状トレーニング器具)
✓メディシンボールローテ―ショナルスロー(ゴルフのスイングのような形で)
結果
ピアソンの積率相関分析の結果、以下の数値がクラブのヘッドスピードと有意な相関が認められた
✓反動なしの垂直跳び(r = 0.50)
✓反動ありの垂直跳び(r = 0.44)
✓反動なしのメディシンボールスロー(r = 0.67)
✓メディシンボールローテ―ショナルスロー(r = 0.63)
重回帰分析の結果、反動なしのメディシンボールスローと反動なしの垂直跳びを採用した場合に最もモデルの当てはまりが良かった(R2=0.49)。
この研究から分かること
垂直跳びは下半身のパワーが反映されるテストで、メディシンボールスローは主に上半身のパワーが反映されるテストです。
これらの数値とゴルフのヘッドスピードの間に有意な相関が認められたということは、上半身と下半身のパワーが高いほどクラブのヘッドスピードが速いということになります。
ゴルフのスイングは「下半身の使い方」が大事だと言われていますが、使い方だけでなくそもそもの「下半身のパワー」も大切だということが示唆された結果となりました。
また面白いのは上半身も下半身も反動なしの課題のほうがヘッドスピードとの関係が強かったということ。
ゴルフはテイクバックの動作は行いますが、トップのポジションでやや静止してからクラブが振り下ろされるので、この競技動作が反映された結果かもしれません。
このあたりを考慮した上半身・下半身のトレーニングを実施することが、ゴルフの飛距離アップ、スコアのアップに繋がるかもしれませんね!
©Physicl lab Co.,Ltd. 2023
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参考文献
- Read, P, Lloyd, R, DeSte Croix, M, and Oliver, J. Relationships between field-based measures of strength andpower andgolf clubhead speed. J Strength Cond Res 27: 2708–2713, 2013.